2015/01/25

Pimentamente!(ピメンタメンチ!) 創刊

201511日、門内ユキエと旦敬介のユニット ‘Camarão de Ganso’ が作るフリーペーパー『Pimentamente!』創刊しました!

Pimenta(ピメンタ)はポルトガル語でトウガラシという意味で、Pimentamenteは「トウガラシ的に」という造語。なぜこのタイトルなのか、というのは創刊号にも書いたけれど改めて以下、創刊のご挨拶です。


 ベナン共和国と、その隣のナイジェリアに滞在していたときのこと。この地域の食べ物が、概してとても辛いことにすぐに気がついた。どの煮こみ料理にも赤や緑の丸いトウガラシが丸ごと、ぷかぷかと浮かべてある。辛くないものはおいしくない、と考えているらしい。とくにナイジェリアはものすごく辛いのが標準的で、おそらく、世界で一番辛いものを食べている。ラゴスで「ぺぺ・スープ」pepper soupと呼ばれているものは、たぶん、世界一辛いスープだ。
 しかし、トウガラシというのは新大陸のものだ。種類によってメキシコとかペルーに原産地がある。つまり、かつてはナイジェリアにもベナンにもトウガラシはひとつも存在しなかった。しかし、大西洋奴隷貿易が始まったあとのどこかの段階で、ブラジルあたりから西アフリカに伝わると、それはその地の住民にたいへんに気に入られ、食生活の中に積極的に取り入れられていったのだ。それも、単に、薬味的に、添え物的に取り入れられたのではなく、味覚の中心に入りこんだ。そして結果として、もともと食べていたメキシコよりもペルーよりもどこよりも、もっと好まれ、もっと辛くなった。移転先で、完全に人の嗜好を変えてしまった。つまり、人間を変えてしまった。既存の秩序を変えてしまった‥‥。いつ変わったのか、誰も覚えていない。でも、たしかに、あるとき、変わったのだ。
 そんなふうにして、世界は、政治や経済の権力とは無関係なところで、変わりうる。正面を切って変革を標榜しなくても、根本的に変えてしまうことはできる。

 「ピメンタ」(ポルトガル語でトウガラシ)はそういう隠れた変革の象徴だ。「ピメンタメンチ」で、「トウガラシ的に」というつもりの造語。日本も、変革できる。世界も、変革できる。自分も、変革できる。ピメンタメンチにものごとを変えていく活動をしている人たちに話を聞きにいく。


Pimentamente!3ヶ月毎に発行予定。
100回を目標に単純計算で25年のプロジェクト。
どうぞ末永くよろしくお願いいたします。


                                                       20151    Camarão de Ganso





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